抄録
多環芳香族炭化水素(PAH)雰囲気中のカーボンナノチューブ(CNT)には、PAH分子が内包されその積層構造が形成される。本研究では、PAH分子の一種であるピレン雰囲気中に置かれたCNTへのピレン分子の内包過程とその積層構造を分子動力学法によって調べた。さらに、ピレンとコロネンの混合雰囲気中に置かれたCNTへのピレンとコロネンの内包過程とその積層構造についても調べた。その結果、ピレン雰囲気からの内包ではピレンはCNT内部でダイマーを形成しつつ積層構造を形成すること、また、ピレンとコロネンの混合雰囲気からの内包では、ピレンとコロネンがそれぞれの集合体となって積層構造を形成することが分かった。