抄録
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業 基盤研究(C), Category: 基盤研究(C), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 3400000, indirect: 1020000)
2021年度は、RDFデータやオントロジーによる2つの異なるレベルのセマンティックWebデータを学習して、リンク関係、論理的関係、およびクラス属性を推定する学習型推論システムを開発した。
リンクトデータを表現するRDFデータ(主語、述語、目的語からなるトリプル)に対する埋め込み学習とともに、オントロジーを表現する記述論理の知識ベースに対する埋め込み学習を実装した。これにより、セマンティックWebデータから記述論理の推論アルゴリズムを使って論理的に推論するだけでなく、訓練済みの学習器から実データに不足している知識を新たに推定できるようになっている。即ち、従来の推論システムでは論理的な帰結しか導けないのに対して、学習型推論システムでは知識ベースに含まれていない概念のインスタンスデータ、個体間の二項関係、概念間の包含関係などを導くことができる。今回、RDFデータとオントロジーの両タイプに機械学習を適用することで、ドメインオントロジーをリンクトデータに融合させた知識ベースでの推論が期待できる。
さらに、前年度までに開発した特徴抽出の手法により、リンクトデータと類似性の高いグラフデータベースに対して、不要な知識をスキップしてデータを特徴ベクトル化する手法を適用した。これは人間関係や科学論文関係などのようなネットワーク構造で表されるグラフデータにおいて、各対象物(人間や科学論文)がどのようなクラスに属すか学習する。本分野で用いられているグラフニューラルネットワーク(GNN)と本研究が提案している特徴抽出の手法を組み合わせて高い推定能力(正解率)を実現した。