抄録
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業, Category: 若手研究, Fund Type: competitive_research_funding, Overall Grant Amount: - (direct: 2600000, indirect: 780000)
令和3年度の研究実績として,ネットワーク機器において複数リンクを集約するリンクアグリゲーションを適用した際の各リンク負荷の偏りを明らかにし,より各リンク負荷を均等にするためのトラフィック分割方針について検討を進めた.
実ネットワークの通信トレースを用いた分析から,リンクアグリゲーション適用時の各リンクでは1.5倍~数倍の負荷の偏りがあることが明らかとなった.また,この原因として,エレファントフローと呼ばれる超多量のパケットで構成される通信フローと極短時間に局所的に多量のパケットを送信する通信フローの2種類の通信フローが主に影響を与え,各リンク負荷の偏りを生んでいることも明らかとなった.従って,上記2種類の通信フローを事前に特定し,その後の高密度なパケット到着を踏まえて各リンクに割り当てることで,よりリンク負荷の均等なリンクアグリゲーションが実現できる可能性がある.
また,令和3年度のもう一つの研究実績として,研究計画にはない新たなトラフィック分割手法の方針である“1通信フローの複数リンクへの分割”の検討が挙げられる.これまで,リンクアグリゲーションでは,1通信フロー内におけるパケットの到着順を守るために,1通信フロー内のパケットは同一の1リンクに割り当てることを遵守していた.しかしながら,上述したエレファントフローのような超大容量な通信フローを1リンクに割り当てることはリンク負荷の増大,偏りを招く.そこで,トラフィック分割の方針として,超大容量な通信フローを複数リンクに割り当て,なおかつパケットの順不同がなるべく起こらないような分割についても検討を進めている.