抄録
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業, Category: 基盤研究(B), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 13300000, indirect: 3990000)
本研究の目標は、ゲームAIと人間の思考の違いを理解して、人智を超えたゲームAIの思考を人間に理解しやすい形に表示して、人間の知を拡張する手法を提案し、その効果について認知的評価を試みることである。
その目標を達成するために、ゲームAIの強化と思考の可視化について、研究を進めてきた。将棋の分野では、人間を超える将棋AIの出現が人間に与える影響に関する研究を進めており、そのテストケースとして、小路盤の将棋としての5五将棋を題材として、人間を遥かに凌駕するレベルのAIを実現した。このAIを用いることで、将棋の亜種のゲームに関する様々な知見を深めることが出来た。また、人間を超える将棋AIの出現前後のトッププロ棋士の棋譜と将棋AIとの手の一致率を調べる研究を行って、何らかの影響を受けている可能性があることが示唆された。
囲碁の分野では、ポリシーネットワークの可視化技術について、研究を行った。人間の理解の困難な深層学習の可視化技術は、現在様々な形で求められている。多人数不完全情報ゲームである麻雀に関してもAIプレイヤの強化を図っている。
カーリングの分野では、実環境のデータを組み込むためのシミュレーターの基礎研究を進めており、高度な不確定情報を含むゲームにおける実環境データの再現を試みている。人狼を対象とした分野では、人間特有の意思決定過程に関するモデルの提案を行った。人狼AIへの応用を考えるとともに、高度に複雑なコミュニケーションを必要とする人狼における知の拡張について考察を深めている。