抄録
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業, Category: 基盤研究(B), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 13300000, indirect: 3990000)
今年度は,映画やレシピ,書籍などを対象とした評価値行列の人工データ生成などに取り組んだ.映画を対象アイテムとした評価値行列の生成では,人気アイテムを好むユーザ,万人に好まれるわけではないロングテールアイテム(評価件数が少ないアイテム)を好むユーザが存在することに着目した合理的行動を引き続き対象として研究に取り組み,実際の評価値行列をテストデータとしたオフライン実験を実施した.実験の結果,パラメータ設定によってはテストデータと同じ実データを訓練データに用いた場合よりも高い推薦精度が得られる場合があることを確認した.レシピを対象アイテムとした研究では,食材や調理器具といった知識がユーザの行動に影響を与えること,調理の有無という暗黙的フィードバックであるといった点で映画とは異なることに着目し,内容ベースフィルタリングに類似した合理的行動を仮定し,暗黙的フィードバックによる評価値行列の生成に取り組んだ.また,レシピデータセットからの知識グラフ構築など,今後の研究拡張に向けた予備的検討も行った.
この他,観光スポット推薦のための人工的な評価値行列生成に向けた予備的検討として,合理的ユーザの行動を模擬するために利用予定の観光経路推薦手法の改良などを行った.観光行動は過去の行動が以降の行動に影響を与えるという点で特徴的であることから,同様の性質を持つものとして読書行動にも着目し,逐次的に書籍を選択していく合理的行動についての検討に着手した.また,ロボットのジェスチャや発話がユーザに与える影響についての調査方法に関する検討も継続して進めた他,楽曲の視聴行動や価値観モデルなど,合理的行動の設計に活用可能な要素技術の検討も進めた.