抄録
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業, Category: 一般研究(C), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 1200000, indirect: -)
本研究では、磁気流体波、音波、弾性波などの振動・波動現象を始めとする自然現象を、偏微分方程式の初期値境界値問題あるいはスペクトル固有値問題として定式化し、有限要素法を用いた数値計算アルゴリズムを与え、その妥当性の数学的解析と実際の数値計算結果の検討を行うことを研究目標とした。
研究を進めるに当たっては、研究者の個別研究に基礎をおきつつ、研究の相互交流にも力を注いだ。特に、週一開催された「数値解析研究会」や統計数理研究所主催の「MHD研究会」を始めとする年間を通しての各種の研究会での相互交流につとめた。以下、個別の研究実績について述べる。
1.抵抗性線形化磁気流体作用素のスペクトル近似と、系の時間発展問題の関連につき研究し、その過程でNewmarkのβ法について興味有る事実を見いだした(加古、千葉)。
2.構造体と音場の連成振動における固有値問題の解析的性質の解明と、それを利用した有限要素近似を研究し、近似スキームの収束証明と誤差評価を得た(加古、田吉、DENG Li)。
3.散乱問題の高次放射条件を利用した数値解析手法の研究を進め、領域分割法による反復計算法の有効性を理論的に明らかにすると共に、有限要素法による近似計算を実行し有効性を確認した(加古、劉)。
4.無限領域等の特異性を持つ領域における数値計算法の開発を行い、完全流体における一様流中の物体回り流れの数値計算法を考案し、流体中の振動・波動計算の基礎を築いた(小山、牛島)。
5.移流拡散問題の差分近似の安定性と近似誤差評価を研究し、散逸と分散が同時に存在する系の数値計算法に対し新たな知見を加えた(名古屋、牛島)。
6.計算機トモグラフィーにおけるラドン変換の、フィルター補正逆投影法で高周波成分を考慮した新しい計算法を考案し、数値実験と誤差解析を行った(室屋、渡辺: Numerical analysis of a reconstruction algorithm in computed tomography, Journal of Inverse and Ill posed Problem に投稿中)。
7.高分子二相分離問題の数学的解析に取り組み、モデルの妥当性を明らかにした(大西)。