抄録
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業, Category: 重点領域研究, Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 1500000, indirect: -)
界面の方法をモンテカルロシミュレ-ションや厳密な数値計算によって以下の問題に適用し、開発と応用を行った。()内は分担者及び協力してくれた院生である。
1)3次元高縮退系における不完全秩序相(加園、上野)。一般化6状態クロックモデルを研究した結果、パラメ-タのある領域では2種類の不完全秩序相(IOP)の存在が、そしてそれが消える領域では1次転移の出現が判明した。IOPの興味ある性質も明らかになった。
2)1次元量子スピン系の相転移(岡本、上野)。この方法が初めて量子系のs=1/2競合Heisenbergモデルに適用されたが、fluid相とdimer相間の相転移点が極めて精度よく決まることが判明した。また、理論で予測された有限サイズスケ-リングのlog補正項の存在も明らかになった。
3)ランダムスピン系(尾関、上野)。2次元±JIsingモデルにスタガ-ド磁場を加えると、フェロ領域が2つの異なる性質を持つことが得られた。これは先に得たMattisスピングラスであることと関係あることを示唆している。
4)弱い1次転移と2次転移を区別する問題(山県、加園)。2次元Pottsモデルに対して転移点近傍に現れる界面吸着の幅を計算すると、1次転移で期待されるサイズ依存性が得られた。従って、吸着の幅は一般にこの問題の解決に有力であることを示唆している。
5)KosterlitzーThouless転移とmassless相の性質(山県、小野)。2次元6状態クロックモデルに対し、massless相では界面自由エネルギ-がスケ-ル不変になることが得られ、またKT転移点でのuniversal Jumpが示唆された。
6)界面の方法の基礎付け(上野)。系全体の界面自由エネルギ-が、相転移と秩序相の研究において基本的物理量となることを、経路積分として考えることによって理論的に明らかされた。更に従来利用されてきたそれの様々な重様な性質の正当性も証明された。