抄録
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業, Category: 基盤研究(B), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 12000000, indirect: 3600000)
今年度は主に,口腔内電極固定手法ならびに咀嚼機能計測システムの開発を実施した.
口腔内電極固定については,引き続き非咀嚼環境を想定し,フレキシブル基板電極とマウスピースによる口腔内電気刺激の手法の更新を実施した.口腔内歯茎近傍の形状は個人差が大きく細かな凹凸があるため,マウスピース型の口腔内電極固定では,電極の歯肉部位への接触が不十分・不均衡となる傾向が観察された.このような電極接触の不均衡は電気的な痛みの発生につながるため,抑制が必要である.そこで被験者の石膏歯型を採取し,それを用いて生体適合3Dプリンタにて被験者専用の薄型軽量固定治具を開発した.被験者ごとの制作が必要になるなど,製造に際しては大きな負担があるものの,咀嚼しつつの電気刺激にむけて良好な結果を得た.また刺激電場に関して,刺激周波数と生成される感覚との間に関して評価を行った.
咀嚼機能計測については,まず咀嚼軌道の計測のために,マーカに基づく顔表面特徴量の画像計測と,下顎に装着した光学マーカの同時計測を実施し,両者の学習による,顔表面特徴量からの下顎動作再構築を試みた.小数の被験者にてその妥当性を検証し,およそ1.65mmの誤差で計測可能であることを確認した.また咀嚼力の計測に関して,チューブ型の咀嚼力計測装置を開発した.密閉チューブを咀嚼することでチューブ内圧変化から咀嚼力を判定する.最大咬合力に比して計測可能範囲が狭いという問題はありつつも,極めて簡便かつ清潔な計測手法の基礎を確立した.