抄録
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業 基盤研究(B), Category: 基盤研究(B), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 13600000, indirect: 4080000)
本研究では,自己身体として身体認知を可能にするサイボーグ義手の開発とその方法論を構築し,生来身体に近づいた自然な操作感を実現する次世代の実用的なサイボーグ義手の実現を目的とする.2021年度の成果は以下の4点である.
a)身体認知を促進させる体性感覚フィードバックの実現のために,義手を装着するソケット内に設置可能な超薄型多点振動シートを開発した.形状記憶合金を薄板に配置し,高速で伸縮させ薄板を振動させることで,厚さ2mm程度の柔軟な振動子を実現した.これにより,従来の10mm程度の振動子と同様の刺激・認識精度を実現した.
b)操作集中や操作負担を軽減させる制御手法を実現するために,義手ハンドに超小型距離画像センサを配置し,距離画像を用いて深層学習により物体形状を認識し把持姿勢を決定し,筋電で把持動作の決定を行う手法を構築した.これにより日常生活動作の85%程度をカバーできる3種の把持姿勢,2種の手首姿勢に関して90%以上の識別率で手指動作の識別可能にし不自然な操作力が必要がなく操作可能となった.
c)常時装着が可能な多自由度サイボーグ義手の義手装飾グローブの開発を行った.当初予定より開発の柔軟度を向上させるため,新たにゴムライク樹脂の3次元造形機を導入し,皮膚程度の柔軟さをもつ装飾グローブの造形を可能にした.さらに生体計測用ゴム電極を用いた超薄型の筋電センサバンドを開発し皮膚への密着性を高め安定的な信号計測を可能にした.手先重量300g,総重量1kg程度の上腕義手(手指自由度4,手首1,肘1)を開発した.4名の上腕切断者用の義手を準備をし,2022年度の身体認知の検証を行うための準備を行った.
d)義手の長期使用における身体認知への影響を調査するための準備として,東海大学医学部,成育医療研究センターと連携し,筋電義手の被験者を募集し,参加同意や上肢機能の臨床評価指標を決定した.