抄録
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業, Category: 基盤研究(C), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 3700000, indirect: 1110000)
半導体量子ドット(QD)は太陽電池の増感剤として、色素系を凌駕する特性を持つ。従来の増感型太陽電池ではQDの吸着面積を増大させるために、基板電極としてはナノ粒子集合体酸化物が対象となる(TiO2, ZnO等)。しかしこの電極系は乱雑な多結晶体のために、QDの電子状態や電子移動に関する評価が曖昧になる。本研究は物性が十分に判明されている単結晶基板を対象として、異なる面方位を持つ酸化物単結晶へQD吸着を行い、QDに対する基板の効果を明らかにすることを目的とする。今年度も引き続きルチル型TiO2単結晶の(001), (110), (111)面を対象基板として、さらに3種類の異なる配位子をPbS-QDに結合しQD-QD間の距離の制御を行い、昨年度に得られた結果の再現性について検討を行った。従来と同様に、(1)光音響法(PA)による脱励起状態、(2)吸光度法(Abs)による励起、(3)光電子収量法(PY)によるイオン化エネルギー、の一連の再現性評価を行った。その結果、PAスペクトルとAbsスペクトルの吸収端下の異なることが再確認された。特に(111)基板上ではQD-QD間隔の増大に大きな変化が生じた、これらの結果は脱励起に伴う無輻射緩和による熱生成効率がQD-QD間隔および基板結晶面により異なるという新しい発見につながった。これらの基板情報は、従来の酸化物ナノ粒子集合体電極に対して、増感型太陽電池のエネルギー変換効率向上化を考慮するデバイス設計に対して有用な情報を提供することが可能となると考えられる。