抄録
Offer Organization: Japan Society for the Promotion of Science, System Name: Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Early-Career Scientists, Category: Grant-in-Aid for Early-Career Scientists, Fund Type: competitive_research_funding, Overall Grant Amount: - (direct: 3600000, indirect: 1080000)
本研究の目的は,動物の筋骨格構造に特徴的な複数の関節をまたぐ多関節筋による,身体内の力学的エネルギー遷移・伝搬のメカニズムを規範とした,脚ロボットの運動性能向上である.このメカニズムを四脚ロボットに導入することを目標とし,段階的に脚部関節間および脚-体幹間の多関節筋構造を規範とした機構および制御を開発する計画である.
本年度は,動物の肢の関節間に備わる二関節筋を規範とした脚機構の動力学解析に取り組んだ.研究代表者らはこれまでの研究で,四足動物の後肢の股-膝関節間および膝-足関節間にある二関節間筋腱複合体に着目し,関節アクチュエータに対して直列または並列に弾性要素をもつ脚機構を開発した.この生物規範型脚機構を持つ1脚ロボットの動力学モデルを作成し,垂直跳躍運動中の二関節間筋腱複合体機構を介したエネルギー伝搬および各関節での仕事率の変化を解析した.その結果,しゃがみ込みから跳躍までの一連の運動において,機構がまたがる3つの関節間を遷移するように仕事率が推移しており,生物規範機構がロボットの垂直跳躍高さの向上に貢献していることを示した.実機を用いた実験でも,シミュレーション結果に類似した効果が確認できた.この手法は脚内の関節間のみならず,体幹を含む複数の関節自由度を持つモデルに適用可能である.また,この解析では,関節の可動範囲限界での前後のリンクの接触・一体化による重心運動への影響も観測でき,関節間の動力学的な干渉性を陽に考慮した運動制御方策の検討にも発展させられる.