抄録
Offer Organization: Japan Society for the Promotion of Science, System Name: Grants-in-Aid for Scientific Research, Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 3300000, indirect: 990000)
核沸騰による除熱は、きわめて高い熱伝達率を示す高効率の冷却手法であり、その応用が様々な分野で期待されている。ただし、限界熱流束(CHF)を超過すると、沸騰様式が膜沸騰に移行して、熱伝達率が大きく低下する。このため、より高いCHF値を示す高性能伝熱面の開発が、世界各所で精力的に行われている。本研究では、伝熱面の表面性状によってCHF値が大きく変化する主要因と考えられる因子として、各種伝熱面の濡れ進展速度を計測し、別途計測するプール沸騰CHFとの関係を調べる。得られた結果より、濡れ進展速度を主要変数とするCHF相関式を開発することを目的としている。本研究により、伝熱実験をせずとも、各種伝熱面のCHFを予測することが可能となるため、CHF向上化方策の方向性が明確となり、より高いCHFを示す高性能伝熱面の開発を、効率的に行うことが可能となると期待できる。本研究の初年度である令和3年度には、様々な伝熱面に対して、濡れ進展速度とCHFの計測を可能とするため、板状の伝熱面を設置可能な試験容器を製作するとともに、その下部に高強度のレーザー光を照射することで、沸騰開始から限界熱流束に至るまでの範囲で、沸騰曲線を得るための準備を整えた。また、通常の伝熱面を用いてプール沸騰実験を実施することにより、広く知られている核沸騰熱伝達相関式とよく一致する結果が得られることを確認した。これより、本実験装置により、十分に高精度の実験を実施可能であることを確認した。