抄録
Offer Organization: Japan Society for the Promotion of Science, System Name: Grants-in-Aid for Scientific Research, Category: Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B)), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 14200000, indirect: 4260000)
鉛を含まないペロブスカイト太陽電池の高効率化が望まれている。錫系ペロブスカイトがその最も期待される候補であるが効率が低いという問題点があった。錫系ペロブスカイト太陽電池の効率を向上するためには結晶欠陥に起因する電荷再結合サイト密度を低下させる必要がある。これまで我々はヨウ素イオン欠陥(undercordinated Sn ion)密度を低下させるために、エチレンジアミンによるパッシベーションが有効であることを示してきた。今回表面撥水性を有するハロゲン化ケイ素(Me3Si-Br)で表面をパッシベーションしたところ、耐久性、効率が向上することを見出した。効率は表面パッシベーション後に10.05%から12.22%に向上した。耐久性は未封止、窒素下で保存したところ、パッシベーション前には40日で30%の効率低下があったが、パッシベーション後は92日間で20%の低下に抑えることができた。ヨウ素イオン欠陥にBrイオンが配位しMe3Siグループが界面、粒界に吸着することにより、ヨウ素イオン欠陥密度を低下させるとともに、粒界を疎水性化し水分の侵入を防止していると推定された。Ms3SiXのXはClイオン=Iイオン<Brイオンの順に効率が向上した。表面パッシベーションによりSn4+イオンの生成が抑制され、PL寿命が増大したという実験結果は、粒界に存在する結晶欠陥がMs3SiBrによりパッシベーションされ効率、耐久性が向上したという説明をサポートしている。ハロゲン化有機ケイ素化合物による粒界パッシベーションは耐久性向上、効率向上に有効であることを実証した。