抄録
Offer Organization: Japan Society for the Promotion of Science, System Name: Grants-in-Aid for Scientific Research, Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 3100000, indirect: 930000)
デーン手術によって双曲的な結び目から“例外的に”双曲的でない3次元多様体が生じる現象は「例外的手術」と呼ばれる低次元多様体論の1つの課題である。筆者はこの現象に関連して特殊な4次元多様体を構成・分析することを研究目標としている。研究開始の令和3年度はコロナ禍がより深刻にかつ長引き、ほぼすべての研究集会がオンライン開催となった。本務先では数学部会長として採用人事に取り組み、3年間続いた減員状態をようやく脱した。これらにより研究の遂行には辛い1年間であったが、いくつかの研究活動を行うことができた。以下、それらを具体的に述べる:1. レンズ空間を生じる結び目のディバイド曲線表示のうち最後まで残っていた課題(VIII型と呼ばれる結び目族の具体的表示)について、計算機を利用した実験で、当初推測していた形状は正しくないことが判明した。この成果を研究集会「4次元トポロジー」および国際研究集会「The 17th East Asian Conference of Geometric Topology」で講演した。2. 丹下氏(筑波大)と安部氏(立命館大)が主催したオンライン研究集会「微分トポロジー22」のテーマは「デーン手術」であった。筆者は最終講演の機会を与えられ、VII型,VIII型のレンズ空間手術に関連する研究を、特に4次元多様体からの興味に主眼をおいて、自分の過去の成果を軸にしつつ最新の研究動向についても勉強して、講演した。
筆者は元々自宅より研究室で研究する様式で、在宅勤務の増えた現在の研究活動に慣れないが、これからはコロナ禍を乗り越える新しい研究生活様式を模索する必要があると考えて努力した。上記の1.は研究の進展としては新たな課題の発見である。2成分絡み目の例外的デーン手術の分布に関する執筆準備中の論文もある。これらの課題を中心に本研究課題に取り組みたい。