抄録
Offer Organization: Japan Society for the Promotion of Science, System Name: Grants-in-Aid for Scientific Research, Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 3200000, indirect: 960000)
本研究では外部の電界を量子ドット(QD)超格子構造に印加し、これを含む共振器構造を透過する光信号の変調成分をとらえることにより、電界を高感度に検出するセンサの実現を目指す。本年度は、量子効果の導入による電気光学係数自体の増大効果、および光共振器構造による光子の長寿命化による電気光学効果の増強効果、の二つの効果に焦点を合わせて研究を進めた。 QD超格子構造の電気光学係数の評価を行うための導波路素子の準備と電気光学係数評価光学系の検討を進めるとともに、光共振器構造の基本設計理論の構築に重点 をおいて研究を行い、以下のような成果を得た。
QD超格子構造を含む導波路素子については、暗電流や逆方向電圧印加特性など基本的特性を測定して光学測定への適用性を確かめた。また電気光学係数の計測光学系については、光信号偏光特性計測の精度を十分に高めるための光学系の新たな設計を行って部品選定を完了し、次年度の高精度測定系の構築の見通しを得た。
光共振器構造の設計においては、共振器のQ値増大による光子寿命の延長に起因する電気光学効果の増強と、Q値の増大に伴う透過光出力の減衰との間に生ずるトレードオフ関係を考慮しながら共振器構造の最適化を行うことが必要である。本年度は基本設計理論を構築することを目指して、多層膜構造の光学特性マトリクスを用いた計算アルゴリズムを考案し、外部電界の印加による透過光信号の位相変調信号の算定が可能であることを確認できたことにより、この計算方法が最適化探索に活用できることが分かった。