抄録
Offer Organization: Japan Society for the Promotion of Science, System Name: Grants-in-Aid for Scientific Research, Category: Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A)), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 9100000, indirect: 2730000)
本年度は,課題1である超高磁場fMRIを用いた高S/N比かつ高速な脳活動信号計測の実施を行いつつ,課題2である高速計測fMRI信号の高時間分解能解析に取り組んだ.本研究課題の推進にあたり2019年4月1日からの米国立衛生研究所(National Institutes of Health, NIH)滞在下での研究を予定していたが,実際にはそれに先んじて2018年9月初旬からNIHでの滞在を開始した.実験開始までの期間において必要な研修等が多くあったため,それらを先行滞在期間中に実施できたことにより,本研究期間を有効に使って研究を進めることができた.
課題1では,従来使用してきたサンプリングレートの約16倍程度の高速撮像を実現するための計測パラメータの調整および予備データの取得を経て,高品質での脳活動画像データを取得する手法を確立することができた.当初はmulti-echo法を用いることも想定していたが,こうした手法を用いずとも目標が部分的に達成できたため,この手順は今年度においては採用しなかった.
こうして確立した実験系を活用し,課題2を進めた.課題2の目的を達成するため,本年度は視覚刺激提示後の脳活動の時間変化を解析した.特に,機械学習の方法を応用することで刺激提示後のどのタイミングからfMRI信号に提示した視覚刺激の情報が表現されているかを定量化した.加えて,視覚刺激提示後の各ボクセルの細かな血行動態反応のタイミングと,視覚刺激の情報表現のタイミングを比較することにより,両者の時間的な関係についての新たな知見を得ることに成功した.
本研究課題としての滞在期間は短くはあったものの,高頻度での実験と解析を効率的に循環させることができ,極めて有意義な滞在および研究の推進を実現することができた.