抄録
Offer Organization: Japan Society for the Promotion of Science, System Name: Grants-in-Aid for Scientific Research, Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 3300000, indirect: 990000)
本年度の研究成果は、学会発表1件(対面 国内学会)であった。
明治期より女子留学生の出身女学校はその7割がキリスト教主義の学校であったことからミッション・スクールごとに留学生のリストアップをした。日本が鎖国政策を撤廃して西洋諸国に開港した5港、すなわち横浜、東京築地、神戸、函館、長崎、新潟は西洋文化の入口であった。西洋からは女性宣教師がキリスト教布教の1つの方法として教会付設の女子ミッション・スクールを設立した。米国から赴任してきた女性宣教師たちは、自らが日本女性のモデルとなり、また西洋的知識と作法を教え、その卒業生を積極的に米国へ留学をさせた。多くの女子留学生たちは帰国後には日本の女子教育のリーダーとなったことが明らかになった。
以上をふまえて本年度は、外国人居留地に設立された女子ミッション・スクールにおける女性宣教師が日本の女性のモデルとなり、より高度な教育を米国などに日本女性を留学させた経緯を調査して日本教育社会学会で発表をした。発表では、外国人居留地を発祥とする女子ミッションスクールを経て海外に留学し、帰国後に専門職あるいは女性リーダーとして活躍した女性たちのなかから、星野あい、河井道、岡見京を選び、その出自やキャリアパスを辿ることで、近代女性の育成を推進した女子ミッションスクールの教育、人的ネットワークとトランスナショナルな移動の形態を明らかにした。
さらに本年度後半には、これまで調査対象としていなかった同志社女学校の留学生を調査するために、同大学史料センターを訪問した。同センターには、明治期の卒業生で米国のブリンマー大学に留学した土倉政子に関する資料(書簡や写真など)が近年、彼女の子孫から同センターに寄贈されたことがわかった。さらに、同女学校出身者の明山(中川)もと、曽根(相澤)ミサホ留学の経緯についての情報を得ることができた。