研究業績リスト
その他
光受容タンパク質を用いた単純細胞受容野型フィルター素子の作製と画像処理
作成日時 01/04/2018–31/03/2022
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業, Category: 基盤研究(B), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 13700000, indirect: 4110000)
本研究は,光受容タンパク質の視覚機能をデバイスレベルで取り入れた視覚受容野型の画像フィルターを作製し,アナログ画像処理に適用すること,および視覚プロセスを構成論的に明らかにすることを目的とする.本年度は,タンパク質懸濁液をバイオナノインクとしてインクジェット印刷し,網膜神経節細胞受容野および脳の第一視覚野に存在する単純細胞受容野形状を3次元的に模倣した「グレースケール(多値化)DOG / Gaborフィルター」を実現し,アナログ画像処理および錯視検出に適用した.特にGaborフィルターを用いて,代表的な方向錯視であるCafe Wall 錯視を実験的に検出し,心理学実験および計算機シミュレーションと比較した.Cafe wall画像上をフィルター走査するだけで得られる畳み込み画像には,物理的には平行であるモルタル線部に右下がり,右上がりを示すtwisted codeが出現した.さらに錯視の強さに関するGaborフィルターの空間周波数および方位依存性を検討したところ,標準画像の場合には,フィルター長:タイル長が 0.66 以下の場合,および方位0度の場合に錯視が強調されることがわかった.Cafe Wall 錯視は方向依存性のある現象のため,視覚系の方向エンコード機構に基づいて説明することは妥当であり,本結果は錯視の強さが向きや線の長さを検出する神経細胞を模倣したGaborフィルターのサイズ(空間周波数)に依存することを示唆している.人間の目のエッジ検出機能と方向検知機能をソフトウェアや複雑な回路,電源を使わずに生体膜の特性だけで再現することに成功した.
その他
作成日時 01/04/2015–31/03/2018
Offer Organization: -, System Name: -, Category: -, Fund Type: competitive_research_funding, Overall Grant Amount: - (direct: 1340000, indirect: 2730000)
その他
超高電界ダイヤモンド光電素子の開発とその高出力THz光源への応用
作成日時 1997–1998
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業, Category: 基盤研究(B), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 13000000, indirect: -)
気相合成法(CVD)を用いた薄膜ダイヤモンドは大面積化が可能なこと、不純物制御が可能なこと、様々な電極構造をとりえることなどの利点があり、電気光学素子や高速デバイスとして期待されている。しかし、その多結晶性からの粒界のキャリヤーの動特性に対する影響が大きく、この詳細な物理を明らかにし、制御、膜質の改善を行うことが望まれていた。本研究では光伝導素子を構成させた超短パルスレーザー照射による電気パルス波形の観測、紫外ポンププローブ計測によるキャリヤー密度の時間発展の観測を行い、以下のような新しい知見を得た。
1.粒径の減少によりその粒界内のキャリヤー寿命、移動度は減少するが0.1〜10μmの粒径試料ではその依存性はγ=80ps(d/10μm)^<0.177>、μ=30cm^2/Vs(d/10μm)^<0.43>になることが明らかになった。
2.粒界内でキャリヤー寿命は大きく変化しており、また、5.0eV程度の紫外光照射ではトラップ準*の影響がキャリヤー寿命に大きな影響が出ることが分かった。
3.粒界影響による低移動度はダイヤモンドの持つ高い絶縁破壊強度により高電界印加させることでフォノン相互作用による飽和ドリフト速度まで増加させることが可能で影響は設計により低減させることが可能である。
また、これらCVDダイヤモンドの基礎特性が得られたことから光電動素子型の高出力THz光源の設計を行った。この際の最も重要な点は大面積化にともなう高電界印加可能な電極設計、出力THz光の空間コヒーレンス制御にある。THz光源でのダイヤモンドの優位性を確認するために実際に数千のギャップを2インチウエハ上に製作し、2ピコ秒の深紫外レーザーを用いて出力実験を行った。照射レーザーのバイナリーマスクによるコヒーレント制御性、電界の2乗スケーリング、波形の測定などが行われ、10mm^2の有効出射面積でこれまでのGaAsで達成された出力密度を越えるTHz波の発生に世界で初めて成功した。さらに高電界印加時の電流特性の評価から2インチウエハ前面に拡張することで出力強度としても最高値を得られることが明らかになった。
その他
サブヘルツ安定化レーザーを用いた超高性能光学素子計測技術の開発と応用
作成日時 1996–1997
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業, Category: 基盤研究(A), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 10900000, indirect: -)
超高安定レーザー計測では超高性能光学ミラーでの反射率、散乱強度の2次元空間分解測定だけでなく、共振器を構成する2枚のミラーのパラメータ分離が3枚合わせ法を考案することで初めて可能となった。これにより、絶対計測された超高品質ミラー単体という新たな基準器を手に入れることになり、今後の超高品質ミラー計測における適応性が大きく拡がった。光学パラメータ計測では屈折率の温度計係数が3桁以上の精度で測定ができるようになった。測定波長域も近紫外から近赤外域まで広がり、現在、特に高出力レーザー使用され結晶内の温度上昇が問題となっている非線形結晶の波長分散・温度係数測定や広いバンド幅を要求される超短パルスレーザー結晶などのパラメータを系統立てて測定しているところである。
イオンビームスパッタリング技術としては大面積化に適したRFガンの初期クラスター化のような現象が観測されたが、イオンガンの最適化を行うことで従来の小面積装置同等の膜質が得られる見込みがついている。
光学素子の新たな評価として超高真空チャンバー内での遠赤外レーザー加熱による脱ガス種測定およびこれによる有機汚染物質のクリーニングが提案され、実際のシステムが構築された。これにより蒸着膜内に含まれる水分量やその膜生成方法による差、各種クリーニング法(クリーニングペ-パ-洗浄、スピンクリーナ法、超純水洗浄、真空加熱法)による汚染除去の定量評価が初めて可能になった。現在光の散乱測定と同時計測することで得られた汚染除去量と光学パラメータの関係も明らかになりつつある。
以上のように、昨年から続けて行われてきた高品質ミラーならびに超高安定レーザーを利用した高精度測定技術の開発は同時に様々な全く新しい評価法、計測法を開発するという広がりを見せた。本研究で得られたシステム、方法、パラメータのすべてが今後の光学素子製造や評価の中核をなすことになるであろう。
その他
気体中の自己トラップを用いた超広帯域コヒーレント光発生の研究
作成日時 1996–1998
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業, Category: 基盤研究(B), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 8200000, indirect: -)
本研究は、気体の非線形屈折率を空間・時間の両面から波長変換法に応用し、真空紫外から赤外の光領域全域に渡る超広帯域な光強度のレーザー光の発生を行うことを目的とした。出力2TWのフェムト秒レーザーパルスを用いて気体中に自己束縛チャネルを形成し、高い光強度と長い相互作用長を実現した。このチャネル中での自己位相変調、4光波混合を利用して波長150-1650nmのスペクトル範囲で、コヒーレント光を得た。得られた光強度は真空紫外域で100MW/nm、紫外から赤外域で1GW/nmであった。ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンの異なる希ガス中のスペクトル強度、スペクトル帯域を測定した。同時に、ガス圧力、励起レーザー光強度に対する依存性を測定した。相互相関法を用いて、各波長の群遅延時間をフェムト秒の時間分解能で測定し、可視・赤外域では200fs以下のパルス幅を持つことを明らかにした。ビームの遠視野像を測定し、ビーム拡がり各は1mrad以下でありレーザーと同様の集光性能を持つことを示した。スペクトルの制限要因を考察するため、固体中における自己束縛実験と比較を行い、気体では2桁高い変換効率が得られること、非線形屈折率の大きさよりもイオン化エネルギーの大きさや屈折率分散がスペクトル幅を制限することを示した。自己位相変調に加え4光波混合による光パラメトリック増幅の位相整合条件を考察し、超広帯域光発生の位相整合条件について明らかにした。
その他
過渡ラマン散乱によるナノ秒からピコ秒への高効率パルス圧縮の研究
作成日時 1992–1993
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業, Category: 一般研究(B), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 6600000, indirect: -)
本研究では紫外レーザーの短パルス化を目的として、高い波長選択性を備えた光共振器と過渡ラマン散乱を組み合わせたパルス圧縮器の開発を行った。
1.過渡領域における後方ラマンパルス圧縮法の研究
(1)ストークスパルス幅が横緩和時間以下の領域では、ラマン利得の減少により高次ストークス光が抑制できることを示した。同時に、励起光線幅を制御して後方散乱利得帯域幅を広げ、横緩和時間以下の超短パルス光を定常増幅できることを示した。
(2)メタンをラマン媒質にしてKrFレーザーのパルス圧縮実験を行い、150倍(世界最高)の圧縮率を得た。
2.高い波長選択性を備えた高耐力共振器の開発
(1)屈折率差の小さい材料を用いて誘電体多層膜鏡を試作した。励起光、2次ストークス光に対し95%以上の透過率、1次ストークス光に対してフィネス400を両立した。
(2)光電流法を用いて誘電体多層膜鏡中の時間分解吸収観測を行った。光学材料の最適化し、レーザーコンディショニング機構を解明してレーザー耐力を4倍向上させた。
3.共振器の横モード制御と4光波混合によるエネルギー引き出し法の研究
(1)注入同期により共振器内1次ストークス光の横モードを制御し、励起光エネルギーの63%を1次ストークス光として蓄積することに成功した。
(2)励起光波長の短パルス光を共振器に注入して4光波混合を用いて短パルス高強度の2次ストークス光を発生させる原理を考案した。さらに、実験により原理の有効性を示した。
その他
A^<2+>H^-型イオンエキシマによる高効率真空紫外光発生の研究
作成日時 1989–1990
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業, Category: 一般研究(B), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 5600000, indirect: -)
1.希ガス・アルカリ系のイオンエキシマのab initio計算によって、ポテンシャル構造を考察し、原子番号に関係したスケ-リング則を求めた。中性エキシマから類推される結果とは違って、下準位は完全な自由状態でないことが判明した。
2.希ガス・アルカリ系のイオンエキシマでは81nm程度の最短波長が期待されることが判明した。原理的には結合ー結合遷移であるが、高い振動状態に対する遷移確率が極大をもつようになり、XeC1のようなquasiーexcimer発光が期待できることが分かった。
3.CsF+イオンエキシマのVUV発光が電子ビ-ム励起で観測され、従来の軟X線励起と異なった性質をもつことが分かった。BーX遷移(185nm)に加えてDーX遷移(152nm)の蛍光が30mbar以上のCsF蒸気圧まで観測され、振動準位の構造も分解された。
4.XeRb+(163nm),KrRb+(133nm)のVUV光の発生が観測され、ab initio計算と良い一致を示すことが明らかとなった。理論計算から求めたスペクトルの形は非対称スペクトル、構造の両面から実験結果と良い一致を与えた。
5.予備実験として行ったNa_2の3重項violet bandのエキシマ発光が観測された。励起強度を変化させるとスペクトルの狭帯域化が観測され、ASE増幅が起こっていることが確認された。理論計算による発光スペクトルは観測スペクトルを完全に説明した。
6.2段階可飽和吸収体による安定で高出力超短パルス発生技術を開発し、400フェムト秒、2.5テラワットのKrFレ-ザ-光を発生した。
その他
光音響・レーザー散乱の併用によるミラー損傷(プリダメージ)の研究
作成日時 1987–1987
Offer Organization: 日本学術振興会, System Name: 科学研究費助成事業, Category: 一般研究(C), Fund Type: -, Overall Grant Amount: - (direct: 1600000, indirect: -)
本研究は近年ますますその必要性が増大している短波長レーザー用の高耐力のミラーの開発の基礎的な研究として, 光学薄膜に生じているレーザーによる損傷または損傷以前の膜質の変化を光散乱や光音響信号によって検知解析しようとするものである. 以下に研究の成果をまとめる.
1.10^<-4>以下の吸収係数(k)をもつ各種の酸化物, フッ化物薄膜の吸収を光音響法で測定し, 紫外線レーザー用の膜材料の選択を行った.
2.10^<-2>〜10^<-3>の吸収係数の光学薄膜のレーザー損傷は, 光吸収-溶融破壊であることを, 理論/実験両面から明らかにした.
3.低吸収薄膜の光吸収で発生した内部応力で薄膜の基板からの剥離, クラッキングが生じることを明らかにした.
4.レーザー損傷強度の1/100以下の低レベルレーザー照射によって, 光学薄膜の吸収減少-損傷強度の向上が実現できることを示した.
5.吸収減少の曲線は際結晶過程の理論と良い一致を示し, 膜質改善は光学薄膜のアニーリング効果によるものであることが分かった.
6.多層膜のレーザー照射強度/光音響信号特性の中に, 複数の不連続点を観測し, 多層膜内の内部微小損傷がレーザー損傷強度の1/3程度で既に発生していることを発見した.
7.レーザー照射時の薄膜発光のスペクトルを観測し, レーザー照射による変化, 材料精製過程の影響を測定した.
8.レーザー損傷時には, 薄膜の固有発光スペクトルの異なる発光が観測されることを確認した.
破壊にともなう発光を高感度に観測すれば, 破壊強度をさらに高精度に決定できるだけでなく, 破壊の機構に関する情報を得ることが出来ると期待している.